忠孝酒造株式会社
クルーズ船内において泡盛を販売。ポップや試飲、セミナーなどで周知をはかりました
企画開発部/企画課長 徳田安史
クルーズ船内に専用ブースを設け、乗船客に泡盛を販売している忠孝酒造。伝統的な古酒から甘酒まで20アイテムほどを揃え、販売業務は船会社に所属する中国人スタッフが担当。スタッフに泡盛の知識を伝えることに力を入れながら、セミナーや試飲、ミニイベントなどで需要を喚起しています。企画開発課長の徳田安史さんに、船内販売に至るまでの経緯や、現場での様子についてお話をうかがいました。
お土産はもちろん船内で飲む需要もある
2016年から、香港に本社を置くスタークルーズ社のクルーズ船内において、当社の泡盛の販売を行っております。船内に販売ブースを設けていて、スタークルーズ社に所属するスタッフが乗船客に対面販売するスタイルです。
お客さんは台湾の方が多く、お土産として買っていくだけでなく、船内で飲まれる方もいらっしゃいます。一般酒から古酒、さらに梅酒や甘酒など20アイテムくらいを揃えており、沖縄に寄港した際に当社スタッフが乗船して注文を聞いたり、売れたぶんを補充したりします。売れ筋は寄港地によっても違いますが、度数の高いものや体にいいものが好まれているようです。
「船内で泡盛を売りたい」という船会社からのオファーで
旅行会社を通じて「船内で泡盛を売りたい」というお話が船会社からあったのがきっかけで、船のマネージャーさんが当社に来られて実現しました。まずは契約をしなくてはなりませんが、言葉の問題が壁になると思われました。しかし、幸い当社に英語の堪能なスタッフがいて、対応できました。マネージャーさんが来られてから契約締結に至った期間は2ヵ月ほどです。
もうひとつの大きな問題は船内での販売スタッフに泡盛の知識がないことでした。ほとんどが中国大陸出身の若い女性なのです。その知識を伝えるのに力を入れました。販売スタート時、販売スタッフに商品のPOP等を冊子にして渡して、英語が話せる弊社スタッフが商品説明をしました。また、船への納品の際に売場を訪問し、販売スタッフから要望や質問を聞いてコミュニケーションを取りました。
社長も乗り込んでクルーズ中にセミナーを開催
PRの方法として、まず中国語のポップを作成して、販売ブースに掲げました。また試飲をしてもらったり、中華系の方のおまけ好きに対応してミニボトルを付けたり、くじ引きをしてもらったりしました。試飲では飲み比べをしてもらい、年数の経った古酒ほどおいしいことを知ってもらったりしました。
また、別の船ですが、弊社の社長が香港から沖縄までのクルーズに乗り込んで、船内で乗船客相手のセミナーを実施しました。
PR効果はかなり高かったと実感
コロナの影響でクルーズ船の寄港が激減していることもあって、現時点で金額的な効果を示すことはできませんが、宣伝としての効果は高かったと実感しております。
客の利便性が高くなるので続けていきたい
クルーズ船が那覇港に入港すると、一部の乗船客がツアーバスで沖縄アウトレットモール・あしびなーへ行きます。午前中の入港だと当社の店舗(くぅーすの杜 忠孝蔵)に寄っていただけるのですが、夕方だと店舗が閉まっているので、お買い求めいただけません。
しかし、船の中ならいつでも買えるし、試飲もできてポイントも付きます。だから船内販売はお客様にとっても当社にとってもメリットがあると思います。
実際にどの程度の売上げがあるか、効果があるかという点については船次第といいますか、クルーズ船がどのくらいの回数寄港するかによりますが、今後も続けていきたいと考えております。